美しいサンゴ礁を形成する造礁サンゴは、石灰質の硬い骨格をもったサンゴの群体。その骨格が長い年月の間に風化し、波の作用で浸蝕され、塊または粒状になって海底に沈積したものです。風化造礁サンゴとも呼ばれ、カルシウムなど多くのミネラルを含んでいます。
与那国を含む琉球諸島の多くは、もともとサンゴ礁だった部分が地殻変動で隆起し、陸地となったものです。そのため、約15万~7万2000年ぐらい前の時代にできたサンゴが化石化した状態で、石灰層などと一緒に堆積した地層を構成しています。与那国島の大部分がこうした太古の化石サンゴでできた大地。古い地層を掘ることによってのみ得られます。
サンゴは昔から漢方薬の一種として利用されてきました。粉にして煎じて飲むなど、先人たちは何かというと使っていたようです。中国の古い書物には、化石サンゴが石芝という名で、民間薬として使われていた記述があります。長寿で知られる沖縄でもサンゴは健康に良いとされ、スープにして飲まれてきた長い歴史があります。
絶滅の危機にある生物を保護する目的で始まったワシントン条約は、サンゴも例外としませんでした。世界中どこの海でも、生きたサンゴはもちろん、海底に沈んだ造礁サンゴの遺骸を採取することも禁じられています。陸地に化石サンゴが存在する琉球諸島は、世界でもサンゴが採取できる数少ない場所。そして与那国島は、食品などにも適した良い状態の化石サンゴがとれる希少な採掘場を有しています。

